Xに参政党罵倒が1つ投稿されると参政党票が10票増える

我が日記の常連さんにとっては「オウムの手先」でお馴染みの島田裕巳先生の参政党研究本が発売された。「読みたい」って思った人も多いのではないか。
一方、島田裕巳をオウムの手先呼ばわりした人々は、こぞって参政党や神谷宗幣をナチだオウムだトランプだポピュリズムだと罵った。しかし、やればやるほど参政党支持者が増えていったようだ。
参政党罵倒の投稿がXに一つアップされると、参政党の得票が10票増えた。そう思うくらいに、罵倒量の多さと労力に見合う効果はゼロどころかマイナスだった。
もっとも、島田裕巳先生が宗幣退治に立ち上がったところで、絶叫マシーンが倒れるわけでもない。
しかし、反ワク・陰謀論批判は効果があっても、ナチ・カルト・ネトウヨ・レイシスト・差別主義者・トランプ・ポピュリズム…と叫べば叫ぶほど参政党は巨大化することが分かった以上、別の視点で見ることが絶対に必要なのだ。
グローバル化と就職氷河期

島田先生は色々書かれている。それは「ネトウヨ差別レイシストトランプナチポピュリズム」本のような痛快さはない。安直な特効薬はないのだ。あくまでも「分析」「研究」してお終い。だから、読み終えて「要するに〇〇」ってのが言いにくい。
第2章で、21世紀の日本は伝統仏教と新宗教が衰退したので『広大な精神的空白地帯が広が』った(P69)。そして『自然が真空を嫌うように』新たに精神的な空白地帯に入り込んだのが、『組織や教義にしばられない、個人的で実践的なスピリチュアリズム』…一見バラバラに見える『オーガニックブーム、代替医療、自己啓発セミナー』である(P.69)。しかしそれは参政党の一面であっても原因には思えない。
そこで第3章に進むと、参政党の躍進要因の一つが、世界的な「反グローバリズム」と、バブル崩壊後の「就職氷河期」と呼ばれる特定世代の不満。特に大卒で正社員になれなかった人々の強い不満そして既成政党への強い不信感。

参政党の票はどこから来たのか。島田先生は、従来の右・左では捉えられない存在であると論じ、『保守層の一部がが持つ伝統回帰への願望と、リベラル層の一部が持つ反権力・反グローバル資本の感情を刺激し』た(P.116-117)と解説する。そして、自民党から票を奪ったと言うよりは、民民や維新に流れる票を奪っていった可能性が高い(P.119)。
他にもいろいろな事が書いてあり。書ききれない。一方、あんまり書くと売れなくなるので出版社から怒られる。あとは読んでからのお楽しみにして、以下、気になった部分をメモ的に書いていく。
国民民主党は都会を克服した民社党

P.121に、国民民主党を『東京を克服した民社党』と表現している。うまい。確かにそうだ。だけど、何でなのか分からない。
「エグい反共イデオロギーを脱色した民社党」のイメージが強い民民が何故「現役世代」から熱い支持を得たのか。私は前から密かに、民民ブームの仕掛け人は芳野友子だと思っていた。
連合の大多数を占める大企業のユニオンショップ労働組合を、組合員にとって役立たずで害悪の立憲民主党から、「103万円の壁」などちゃんと労働者の利益になる政策を主張する国民民主党に転換させた。そして民民も「新しい都会の支持層」に答えてくれた。
私がサラリーマンやってた頃、実際に臨時職員のオバサンはこれを随分と気にしていた。潜在的不満があるのに、左翼労組は拾い上げられなかったのだ。
男性にとって恋愛は無理ゲー

P.148に、『男性にとって「無理ゲー」化する恋愛市場』という項目がある。
無理ゲー社会。この本は面白かった。「人間努力すれば報われるのか」という永遠のテーマを論じ、努力も才能だと切り捨てるこの本は是非ともお勧めだ。
島田先生「も」P.149で、『人類史の大半において、誰とパートナーになるかは家族の地域の共同体が決めていた』ことを指摘する。
そして、女性の方が収入が高いことが普通になった今、「友達に自慢できる男」が少なくなり、女性のえり好みは激しくなる。一方、男性は何よりも10代~20代前半の若い子を希望する(P.150-151を私が勝手に要約)。 そりゃ結婚できるはずがないと。
そして、この本には書いてないけれど、神谷宗幣そして参政党は、この問題に関して明確な回答を提示している。神谷宗幣や参政党政治家は叫び続けた。「男女平等参画なんちゃらなんて税金の無駄です!」「女性は子供を生み育てる神聖な義務がある!」「給料が安いので、男女房を食わせられないから結婚できないんです!」
KAZUYAさんがYoutubeでこれを「唱和のモデルは無理」と言っていた記憶がある。しかし、じゃあ従来弱者の味方だった左翼はどう言ってるのか。説明不要だろう。
参政党退治の特効薬はこれ

参政党退治の特効薬は、現代政治から捨てられて参政党にすがる人々の要求が実現されることである。
しかしそれを左翼が実現することは絶対にない。参政党は「現在政治まるごとに不信感を持つ様々な人々」をくっつけるハブとしての顔を持つ。
おそらく、次の衆議院選挙で、ネトウヨ系の参政党ファンは高市自民党に吸収されるだろう。しかし、21世紀になって大量に発生した「政治から取り残された人々」の不満の声は消えない。昭和の高度成長期に、政治から見捨てられた貧困層を公明党創価学会が吸収して成長したように、参政党も「新たな貧困層」という政治の空白地帯の獲得に成功したのだ。



コメント