※今回のオウマー日記は、将棋に詳しくないと何も分からないと思います。あしからずご了承下さい。
加藤一二三先生が天国にお引越ししました。

加藤一二三先生が天国に旅立たれました。あの人に「逝去」は失礼です。アーメン。
三浦弘行騒動の頃、現行ルールでは「対局中に教会に行ってお祈りできる」と説明した人物です。きっと、やったことがあるのでしょう。
何せ熱心なキリスト教信者ですから、対局前に讃美歌を歌って、もちろん顰蹙でした。
他にも、いわゆる「ひふみんアイ(相手側から盤を見る)も、相手がいない時にやったことになってましたけれど、実は対局中に平気でやってました。待った事件とかありました。逆に大山康晴に金将をふんだくられたこともありました。近所の野良猫に餌をやりつづけ、糞が近所にばら撒かれ苦情が来たり、まあ変人でしょう。
だけど、敬虔なので楽勝で天国行きです。良かった良かった。
加藤一二三伝説の▲5五歩を検証する
加藤一二三といえば自慢話。名人奪取の詰みを秒読みの中で発見した自慢話もありますけれど、しかし、確かに「凄い手」を自慢するのです。
▲6二歩の自慢話も有名ですが、もっとも有名なのは▲5五歩の自慢話でしょうか。
誰もが驚いた加藤一二三棋王(当時)の中飛車退治/将棋ペンクラブブログ2016.04.28
https://shogipenclublog.com/blog/2016/04/28/katohifumi-6
解説動画もあります。
これは私もライブで覚えています。

「符号(▲と△)を間違えたんじゃないの?」としか言えない仕掛け。ツノ銀中飛車に対して▲5五歩と仕掛ける。後手の突撃名人の方から仕掛けたいくらいなのに、先手から5五歩。しかもこれが妙手で、あれよあれよとひふみんが優勢になっていきます。
今回は、この伝説の▲5五歩の破壊力をAIで検証してみたいと思います。なお、仕掛けの局面を「基本図」と呼ぶことにします。
▲5五歩の破壊力を人間的に検証する。
人間感覚では、やはり▲5五歩の破壊力は凄いです。▲5五歩△同歩▲4五歩△同歩▲4五桂△2二角▲4六銀△4四歩▲3三歩。△2二角のところ△4四角は▲5五銀と突撃されてしまう。

図面は上記のそらさんの動画のピコです。
突撃名人は意図的に飛車を△5一に引かないで手待ちをしているのでしょう。しかし見事に咎められたように見える。△5二飛が▲4五桂の威力を倍増させている。この局面で△4二金は▲5三歩。後手の制空権と思われた5五は完全に先手のもの。切り札でどっかで突きたい△5六歩が、▲5五銀で完全に無効化されています。
AI(ポンタマン)に検証させると
さて、加藤一二三ご自慢の▲5五歩を、突撃名人ではなくAIポンタマン(Core7の13世代)で、例によって持ち時間9時間で検証してみました。
基本図の▲5五歩からスタートします。

▲5五歩△同歩▲4五歩△5四銀
△5四銀? △3四歩がタダじゃん。しかし既に一歩貰ってるので。△4三金で何も問題ないらしいです。
よってAIによれば先手も▲4六銀らしく、以下のキャプチャ画像のように進行する、そうです。しかし困ったことに、神レベルのひふみんや突撃よりも、こっちの方が遥かに正確らしい。
AI判断では、▲5五歩の仕掛けは後手が正確に受ければ互角とのことです。

そもそも基本図でAIは▲5五歩と突かない

そもそも、上記「基本図」をAIにかけると、AIは▲5五歩ではなく▲7七角と手待ちをします。△5一飛を待ってるのでしょうか。そして後手は△2二角。そして▲は6六歩で突撃を中止します。しかも、AIに言わせると、この方が有利らしいのです。
そもそも、基本図が相当に不自然な形状です。ひふみん・突撃が矢倉戦でないのも不自然だけど、突撃名人が一筋の歩を伸ばしたり5二飛を5一に引かなかったり、明らかに手待ちをしているように見える。
AIは後手が飛車を△5一に引くのを待っているのかもしれません。
以下は勉強不足なので、簡単に書きます。

そもそも、対ツノ銀中飛車▲3八飛戦法の仕掛けって、▲2四歩△同歩▲4五歩△同歩▲3三角成△同桂▲4四歩△同銀▲3四飛(図は基本図を△5一飛△1四歩に変更したもの)で、△4三金ならば▲2四飛で先手良し…だった記憶があります。そこで後手が4三金ではなく△6二角と打つ将棋も見た記憶がある。△6二角に対して、飛車が5一にいると▲4三歩がある…だから手待ちをしてるのかな、と推測しました。
ただ、この「先手良し」の局面だって、△4三金▲2四飛△3六歩でそんなに良さそうに見えません。
これも不確かな記憶ですが、標準的な仕掛けは▲2四歩△同歩▲2五歩△同歩▲同桂に変更された?かもしれません。この仕掛けでも、後手の飛車は5二よりも5一の方が好都合なのでしょうか。
実は、他にも「この周辺」をいろいろAIにかけてみたのです。しかし私に「標準的な潰され方」の知識がないのです。今までの常識をAIで検証するのがこのブログの面白さなので、その常識が私にない以上、今回はここまでにします。興味を持った方は、ご自身で検証してエンジョイしてください。
そもそも、ツノ銀中飛車そのものが絶滅してしまいましたから、あいまり意味ないかも。



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