話題の新装三省堂書店本店(神保町)に行ってきた

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三省堂書店が新装で改悪された?

 3月20日に新装オープンした三省堂書店がバズっている。
 X上で自称読書家が、中身がスカスカになった、いや文化を守るためには仕方ない、いや東京堂書店の方が… 読書通気取りが続々と蘊蓄を傾けウットリし始めたのだ。

 本屋なんて斜陽産業、縮小するに決まっている。あーた、町の本屋がどれだけ潰れたか、ご近所の商店街を見れば誰だって分かるでしょうに。こういう人たちって、よっぽど紙の本を読んでる自分が偉いって思ってて、大学生の50%以上が全く本を読まないなんてニュースを聞いてウットリしてるんでしょうね。あー恥ずかしい。

 そんな三省堂書店本店に行ってきた。神保町に来るのは2年ぶり。神保町駅の隣は水道橋駅。どちらの駅も、私が若い頃には飽きるほど行って、年を取ってから全く行かなくなった場所だ。プロレスも本もすっかりオワコンになってしまった。

地味過ぎるビルの「秘密」

 早速行ってみた。まず思ったのは、新装開店の割には「お姿」が地味過ぎ。
 ライバルの東京同士店や書泉グランデの方が目立っている。
 しかも本屋が入ってるのは4Fまで。ネット情報によると、5F移行はテナントとして貸し出すようだ。不動産収入が頼りでは、まるで朝日新聞じゃん。

 さて、中身だが、それほどスカスカというわけでもない気がした。
 そもそも、昔どうなってたのか殆ど記憶にない。しかし、昔の三省堂書店には新日本新書も豪華に揃えてたのは覚えてる。そういうのが大量に綺麗に消えたのだから、ギッシリ詰まってないのは当たり前である。

 「読書家の私にウットリ」な人が怒ってるのだから、 私はてっきり本以外にお鍋や野菜やケーキも売ってるのかと期待した。しかし売ってるものはほぼ全て本。この本屋、まるで本屋さんみたいだ。

 チャッピーに聞いてみたら、1995年の本の売上が10,469.8億円で雑誌が15,426.7億円。それが2024年には5,937億と4,119億円。たった30年で6割以上に激減している。 ちなみに出版点数は1995年は89,371点で2024年が65,322点。売上の豪快な減りっぷりに比べて、出版数の減りっぷりに豪快さが足りない。出版物の粗製乱造が透けて見える。
 チャッピー解説によると出版業界は1996年がピークで、それ以降落ち目が始まっている。露骨なまでにインターネットと入れ替わったのが読み取れる。。

セルフレジ

 早速中を探索しよう。店内は写真撮影できないのでお許しあれ。

 今回は最初から他の大規模書店も回るつもりだったので、二冊の図書を「課題図書」にしていた。一冊は皆さんにとって説明不要の「オウム真理教の子どもたち 知られざる30年」。もう一冊は、同志社国際高校女子高生死亡事件でごく一部で話題になってる「日本基督教団実録教団紛争史(2011年12月発行)」。
 しかし、どちらも「宗教」「事件(だったっけ)」コーナーで発見できなかった。しかし、読売新聞から出たヤマガミ礼賛本「絶望の凶弾:安倍元首相銃撃事件」は目立つ位置で絶賛発売中。

 そういえば鈴8の本も見当たらない。逆に「国家の生贄」も見当たらない。もっとも、今回は「ざっと見た」「目立つところにあるか」だけを見ただけ。おそらく、「日本基督教団実録教団紛争史」以外はどこかに淋しく鎮座ましますってるのではないか。
 ちなみに、「宗教」コーナー、片面に伝統仏教をすらっと並べて、もう片面にカルト系のいかがわしさプンプンを並べていて笑えた。

 レジはセルフレジ。新装開店満員御礼のため、オッサンが「最後列はここ」を持って整理に当たっていた。
 個人的に興味がある将棋コーナー。棚1つ7段を占拠していた、お隣には囲碁だけど、棚4段しか使わせてもらえず、5段目移行はチェス。囲碁業界の悲哀を感じた。

書泉グランデが突出して良書揃い

 東京堂書店と書泉グランデも見ていく。
 東京堂書店。ショーウィンドウにNHK英会話。AMラジオそのものがなくなるのに、凄い感覚だ。
 オウム真理教の子どもたちは目立つ場所にない。ヤマガミ礼賛本は目立つ位置にある。それよりも「趣味」のコーナーが見つからない。将棋コーナーはどこなのか。店員に確認してないし、「廃止」とは思えないけれど、ど「将棋・囲碁」は縮小傾向なのか。

 書泉グランデ。ここがピカ一面白い。比較にならなレベル。
 まず、1Fの目立つところにレトルトカレーを設置。こっちの方が三省堂よりもスカスカ。しかし、内容が違う。
 特に4Fに行くと堂々とムーがバックナンバーを含めて所狭しと置かれ、その近所に、オウムの反省など知ったことかと、ゆんゆんと陰謀論にデムパに怪しいカルト。
 少し店内を歩いてみると、40年前と同じ位置に極左・極右の機関誌に危険な思想家の単行本。鉄道・アイドル・プロレス…彼女ができない3大趣味も充実。
 私には、三省堂や東京堂よりも、書泉グランデが突出して「良書揃い」の優良書店にしか思えない。1Fに平然とカレーを置くセンスも抜群。俺、3つも買ってしまった。

大規模書店で本を買うメリットって何?

 「本が好きな自分にウットリ」系な人は、ふらっと本屋に入ってふらっと本を買うらしい。しかし、それって出版社にカモられてるだけである。
 ふらっと入るのならば、古本屋のほうが「お、こんな本があるのか」「懐かしい!」って出会いがある。あるいは書泉グランデみたいに「大規模」かつ「特定ジャンルに特化」したお店の方が「出会える」。ちなみに、書泉グランデのカレーはマニアックなものばかり。だから私は、あそこに入ると買ってしまう。

Amazonに勝てるはずがない

 ちなみに「日本基督教団実録教団紛争史」はAmazonで購入できるので、帰宅途中に買った。「オウム真理教の子どもたち」はAmazonで予約していた。どう考えても品揃えでAmazonに勝てるはずがない。
 正直、あの書店で買うメリットが分からない。売れると思う方がどうかしている。

 芳賀書店は相変わらず苦戦しているようだ。AV女優を呼んで「特典会」を企画しているけれど、果たして効果があるのか。神保町古本屋街でもっとも衰退したのはエロ。もっとも、これは日本全般に言えることだが。

 余談。2年前に来た時は、書泉グランデ近くにあった「4冊100円のお店」、もちろん100円コーナーは消えてガレージ店として生き残っていたが、昨日行ったら本物のガレージになっていた。

 ではまた。

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