今日の話は、将棋に関する基礎知識、いや多少の応用知識がないとちっとも面白くありません。あしからず。
懐かしい局面が将棋世界で見かけた
少し古い話だが、今月号(GW頃に出た号)の将棋世界の「研修生トーナメント」に、こんな局面が載っていた(名称:図1)。30年以上前、私が「将棋」という破壊的カルトに熱心だったころに、似たような将棋を随分と指した。もう、研修会の小学生しか相手にしない局面なのか。

おそらく、35年以上前に熱心に将棋を指してた人ならば、先手・後手問わず、似たような局面を指したor想定した人が多いのではないか。そして、この局面に至る経緯や△9四歩の意味なども全て理解できるのではないか。
銀損はエサ
後手の四間飛車に対して先手は居飛車穴熊を狙う。そして「寅彦システム」の▲5七銀の前に▲7七角を指す。これは▲6八角を見せて、後手に△2二飛を強制させて序盤からポイントを稼ぐ狙いだ(ソフトの図:名称図2を参照)。

そして△2二飛と指してくれると、確かに順調にイビアナに組めるので先手が勝ちやすい。
だから後手はわざと2筋を受けないで先手の▲2四歩△同歩▲同飛を誘う。
そして、こういう局面で△2二飛とやっても、△4三銀が浮き駒になっているので居飛車の銀得で先手有利というのが、当時の将棋の一種の常識になっていた。振飛車側はそれが常識になっているのを知っていて、あえて誘っているのだ。△9四歩は用意周到で、普通だとこの局面で△8二玉なのだが、それでは上図で▲6一馬でポアというわけだ
▲1九龍 一度も指されたことがなかったぞ
いわば後手は4三銀を餌に銀損覚悟で飛車を成り込みイビアナを回避した?のだ。そして誘いに乗った結果が図1。
将棋世界の説明によると、ここで後手は△2九龍と指したが、△1九龍と指せば「先手の指す手が難しかった」そうだ。私はイビアナ側で指したのが殆ど全てだが、ひとり残らず△2九龍だった。以下▲3九金△1九龍▲2八銀△1八龍▲3六角みたいな話になる。更に後手は2七の地点で清算してから△2三飛だったか。
これ、先後が逆の局面だと▲1六歩突かなくても先手は▲2八玉▲3八銀なので、結構苦戦した記憶がある。
ポンタマンは挑発に乗らなかった。

ちなみに図2でポンタマン(9700円もする強豪ソフト)に持ち時間5時間で考えてもらったら、小考の結果▲9六歩。誘いには乗らなかった。
それどころか、▲2四歩決行直前の局面で考えてもらっても、先手は▲5八金右と自重した。なーんだ。角交換しちゃ駄目だったのか。

あれから時代は30年以上経ってしまった。△1九龍の秘手の前に、この形は消えてしまったのか。そもそも大人しく角道止めて松尾流で組めば、ちゃんと囲えて居飛車がたいてい勝つもんな。
そう思いつつ、飛車先を切らせてみた。△2二飛に対して▲2五歩を期待したが、餌に飛びついた。お主、昭和やのう。
以下、やっぱり後手(も9700円のポンタマン)は△1九龍。これで駄目なのか。
そして先手はどう指すか。しばらく将棋ソフトをかけっぱなしにして別作業をしていたら… ん? 見間違えたのか、俺。
図1の最善手は2七歩
何で先手の盤面に▲2七歩があるの?

図1の△1九龍に対して、先手のポンタマンは▲2七歩と打った。全く意味が分からない… ことはなかった。確かに良い手だ。後手は2七に龍を引けない(▲1六角でポア)。しかし、人間さんで、△1九龍に対してここに手がいく人がいるだろうか。
しかし、感動した。発見する喜び。やっぱりAIは凄い。
評価値を見ると、餌にありついても名手▲2七歩で互角のようだ。
しかしこれ、イビアナ側が後手だったら話が変わってくる。結局、四間飛車側の挑発に乗らないで、黙々と左香の位置に玉を移動するのが分かりやすいというのが結論のようだ。実際問題、そう指すと振り飛車さん泣いちゃうもんね。



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