猫カフェで住所と電話番号を書かされたのは初めてだった。
「保護猫VELCAT馬車道店」馬車道だけど馬とも牛とも縁がなさそうな横浜オフィス街の典型みたいな場所の脇道。この日記の筆者にとってはワクワクする場所だった。
まるで昭和の将棋道場みたい

馬車道駅を降りで5番出口から出る。右に行くとみずほ銀行があるので、そこを右に曲がる。1分くらいで1Famigoでその上に「みなとまち歯科」「みなとまち皮ふ科」の目立つ看板があるビルを左に曲がる。すると三十秒も歩かずに、2Fに猫のポスターや「VELCAT入口当ビル裏口」のポスターがベタベタ貼ってある。

外から見た雰囲気は猫カフェと言うよりは将棋の街道場。とはいえ、このとおり歩けば迷うところはない。しかし、ここからが大変だった。

「VELCAT入口当ビル裏口」と書いてあるので、道路を渡って裏側と思われる場所に行く。エレベーターがある。しかし地下にしか行かない。階段で行こうと思って自動ドアを開くと監視カメラがある。しかし、貼られている簡略地図にには猫カフェなんか書いてない。そもそも、外から見た「将棋の街道場」とは雰囲気があまりに違う。どう考えても高級マンションだ。どうやらフロール横浜関内は「ビルの裏側」ではないらしい。
パチンコの景品交換所

フロール横浜関内から離れ、さっきの「将棋道場風猫カフェ」があった場所に戻ると、そのビルの脇に猫カフェのポスターが貼ってある。どうやら、この細い道の鉄扉を開けて「ビルの裏」に行くらしいのだ。これではまるでパチンコの景品交換所である。
細い道を行く。パチンコ景品交換所だってもっとマシな場所にある。サティアンショップだってもっと綺麗だったぞ。そんな「ビルの裏」の2F。マジで探すのに苦労した。




氏名・電話番号の記入が必要な猫カフェ

普通に行けば、馬車道駅5番出口を出て徒歩2~3分で着くはずなのに、随分と時間がかかった。
しかも、氏名と電話番号を書かされる。こういうブログを書く奴がいるので、その対策だろうか。しかし、この場所はさすがに参った。
とはいえ、普通の猫カフェと中身は同じ。しかし、部屋の作りが他所とかなり違う。3部屋のフリールームがあって、そこが普通の猫カフェの「猫の触り場」。それとは別に要予約の「個室」があり、そこで1対1のお触りサービスが楽しめるらしい。こうやって「水揚げ」じゃなかった里親を見つけようという戦術だろうか。

猫はいかにも「野良」風で、ペットショップ経由っぽいねこさんがいない。まさに保護猫の雰囲気。帰り際に聞いていたら、飼い主が死んで親戚から相談を受けたとか、駐車場の下にいたとか、さまざまな場所から流れ着いたようだ。
ね紅茶

お土産に猫紅茶(ね紅茶)を買う。余談であるが、この店に限らず、猫カフェの「カフェ」って何の意味があるのだろうか。文字通り「猫カフェ」=「猫を膝の上に乗せながらコーヒーを飲むお店」なんて見たことも聞いたこともない。どのお店も「猫の酒なしキャバクラ」である。
場所を発見してから名前を書かされるまでがかなり変調だったので面食らったが、普通の猫カフェと言われればそのとおりだ。ただ、お客さんが座る場所が少ないと思う。やはり、かわい子ちゃんを「指名」して、「個室」で「二人っきりでねっちりお触り」するシステムなのだろうか。

近所の保護猫カフェを何件か回ってみた。しかし肝心の「可愛そうなワンちゃんニャンちゃん」絶叫の正体には全く近づけけてない。ただ、猫の話題をSNSに貼ってるうちに、保護猫カフェのフランチャイズ募集の広告をしばしば見かけるようになった。地方公共団体も一枚噛んでいることもあるようだ。
何もかも「カルトかもしれない」「カルトっぽい」と決めつけて、「どうせ裏があるのさ」とニヒルになるのは最近の日本の悪いところの一つ。とはいえ、ねこ界隈が100%の善意で出来ているとも思えない。100%の善人には100%の悪人が必ず目をつけるのが猫とは違う人間界。
ニャン権活動、もう少し追いかけてみたい。
コメント